[The REK Friday Blog]
中国残留兵を扱う『蟻の兵隊』を見た。上映したホールは、後ろ半分は階段状の椅子席だが、前半分はフロアで長机に椅子がセットされていた。
上映前、松山千春ですと帽子を取って自己紹介したつるっ禿の池谷(いけや)薫監督はフロアを眺めて「机が曲者だ。メモなど取らずに人間奥村和一を見てほしい」といった。
池谷のいうとおり、『蟻の兵隊』は戦争に終止符を打てない奥村和一のドキュメンタリー映画だ。しかし、考えを巡らせていたら次の映像を素通りしてしまうほど多くの問題を孕んでいる。
