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2009-08-21

映画『ブライアンと仲間たち』 (早川由美子)

[The REK Friday Blog]
 ブライアン・ホー
 ブライアン・ホー。1949年生まれ、60才。2001年6月2日から数えて8年以上、英国議事堂の前でテント生活をしている。イラクで子どもを殺すな。アフガニスタンで子どもを殺すな。
 車から「仕事に就け」とやじられると、「俺は年中無休で働いている」と怒鳴り返す。なるほど、戦争で殺しに行くのが仕事なら、平和を訴えるのも仕事だ。

2009-03-27

見えない放射能 

[The REK Fridy Blog]
 ドイツ映画『見えない雲』を見た。田舎町の原発が冷却水を取り入れることができず炉心溶融事故を起こして、放射能が大気中に拡散する。逃げ惑う近郊市民の姿が一つの柱。もう一つは被曝した少女の勇気。それに彼女をめぐるラブロマンスを絡めたドイツ児童読み物の映画化だ。

2008-11-28

ヒロシマナガサキ 

[The REK Friday Blog]
 スティーブン・オカザキ監督の映画『ヒロシマナガサキ』を見た。とても複雑な印象をもった。

 全編証言で綴られている。それが監督の意図だ。そのような構成は土本典昭監督の『水俣・患者さんの世界』と同じだ。私はこれを監督の追悼番組で見た。概してドキュメンタリー映画は入りづらい。内容の大きさに、見る前から圧倒されているからだと思う。
 しかし、この2本とも被爆者あるいは患者の世界に入るや、釘付けにされた。証言構成という監督の狙いが私には功をそうしたのだろう。

2008-02-16

蟻の兵隊・奥村和一という”永遠の道化”(下)

[The REK Friday Blog](承前)

(蟻の兵隊とは、残留兵が大地にへばりついて生きる自らをそう呼んでいたあだ名だ)

(2)戦争と向き合う“ドンキホーテ”
 奥村和一は1944年に召集、北支へ送られた。そこで経験する殺人は初年兵教育の名のもとに行われたものだ。戦闘における殺戮と、戦時とはいえ非戦闘地域における民間人殺害は区別できるのか。区別しないと戦争と向き合うことはできないと私は思う。

2008-02-15

蟻の兵隊・奥村和一という“永遠の道化”(上)

[The REK Friday Blog]

 中国残留兵を扱う『蟻の兵隊』を見た。上映したホールは、後ろ半分は階段状の椅子席だが、前半分はフロアで長机に椅子がセットされていた。
 上映前、松山千春ですと帽子を取って自己紹介したつるっ禿の池谷(いけや)薫監督はフロアを眺めて「机が曲者だ。メモなど取らずに人間奥村和一を見てほしい」といった。
 池谷のいうとおり、『蟻の兵隊』は戦争に終止符を打てない奥村和一のドキュメンタリー映画だ。しかし、考えを巡らせていたら次の映像を素通りしてしまうほど多くの問題を孕んでいる。
蟻の兵隊

2008-02-01

「殯の森」の霧は晴れるか

[The REK Friday Blog]

「殯(もがり)の森」を見た(NHKBS)。とても入りづらい映画だ。映像美で売るのなら気楽に構えていられるが、タイトルの漢字が与えるイメージは“死”をテーマにしたものと読める。映画と対話しながら見ざるをえないだろう。
 入りづらさの理由はいくつかある。まず映画の輪郭がなかなか掴めない。福祉施設新人職員の真千子さんに感情移入しようかと思うが、タイトルから考えれば精神を病んでいるしげきさんが主人公だろうとも思う。このしげきさんの年令設定がまた気に掛かって、そんなことどもを“霧”と思わせぶりに書いた。そして、最後の最後に霧は見事に晴れた。

2007-12-14

「憲法起草物語~鈴木安蔵の場合」 

[The REK Friday Blog]
年末特集(その一)

『日本の青空』というタイトルはダサいと思っていた。映画を見て中身もやはりダサかった。ダサいとは旧感覚ということだ。何が時代に遅れさせていたのか。
 いま憲法がGHQの押し付けであるという批判に対して、日本人がつくった草案にGHQは検閲を加えただけだという再批判は緊急で重要な課題だ。『日本の青空』のテーマでもある。そうなら、憲法起草作業の緊迫感を観客にもっと訴えなければならなかった。終戦直後の“青い空”という希望に未来を託しては、改憲勢力に対抗できないのではないか。
 NHKスペシャルの二番煎じ、三番煎じでもいい。事実を積み上げて、映画の大画面で押し付け論と対決させる必要があったと思う。ドキュメンタリーの手法がほしかった。

2007-05-16

『Good Morning, Vietnam』

出所出年不詳

2007-03-17

「雨に打たれ続ける」人々ーおばあちゃんの家

 韓国映画『おばあちゃんの家』を見た。エンディングに「すべてのおばあちゃんに捧げる」とあった。これは私のような“おじいちゃん予備軍”にも捧げられていた。


2007-03-16

『雨にも負けず』な人々ー阿弥陀堂便り

-『阿弥陀堂だより』断想-

 前職場の再雇用が決まって一応お祝いだから、いつもよりたくさん飲もうと思った。7時から“独り・部屋で”飲むのは初めてだ。チャンネルを廻してもくだらない番組だらけだから、たまっている映画のヴィデオを見た。これはぜいたくだ。

2007-02-20

映画の進化に乗り遅れそうーイングリッシュペイシェント

 団地がケーブルテレビ化されて、BSが視聴可能になった。チバテレビと東京MXテレビも映る。TVKは高校野球の予選時期になると競馬中継をしないからチバテレビはありがたい。ということで、BS映画劇場を録画した。

2007-02-09

原作映画小考ー博士の愛した数式

『博士の愛した数式』を見た。監督は『雨あがる』の小泉堯史。
 小川洋子の原作はアイディア小説だ。数字をキーワードに独創的な物語を創作した。今まで誰も書かなかった素材を相手に、悪戦苦闘しながら校了した達成感は想像に余りある。秀作だ。
 映画化はどうだろう。見事に原作を越えていた。

2006-10-29

『アフガン零年』

 何とももどかしい映画だ。正直にいえば、余りにも無力な女性の状況に想像力が及ばないのだ。

2006-10-19

『山の郵便配達』

 母と子は理性、感情をそのまま包み込んで、対立がテーマになることは少ないようだ。しかし、父と子の相互理解はなぜ永遠のテーマになるのか。