fc2ブログ

2008-08-29

空は相変わらずべそをかいている 

[The REK Friday Blog]

(1)
 両親はこうやって私をほめてくれる。
「おまえは感心に泣かない子だった。小さい頃からおとなしくて手がかからない子だった」
 でも、叔母はつっけんどんにいい放ったものだ。
「そう、おまえはやけに面白くもない子だった。ちょっといかれているんじゃないかと思ったほどだ」

2008-08-22

贋“新しい価値観” 

[The REK Friday Blog]
 ちょっと昔のメモを拾い出して、新しい器に盛ってみる。

 BS『民衆が語る中国・紅衛兵運動の部』(07.8.13)を見た。
 私は大学1年だったと思う。劉少奇が自分の子供に三角帽を被せられて自己批判を迫られていた。私はそこに親子関係・人間関係の新しい価値観を見出した。まさに“文化”大革命だと。

2008-08-15

小田実と原体験

[The REK Friday Blog]

私は小田実の短編集『子供たちの戦争』のうち、『匂いと臭い』を小田の“ヰタ・セクスアリス”ではないかと書いた。『暗潮~大阪物語~』(河出書房新社、1997)にも同じようなエピソードが書かれているから、それは小田の原体験といってもいいかもしれない。

2008-08-12

ああ、原子力治外法権元年

[The REK Friday Blog]3周年記念週間
ジョージ・ワシントンジョージ・ワシントン(2002年、大西洋)
 小田実『子供たちの戦争』中、“軍艦と恋”に次のような一節がある。
「もう一枚、新聞から切り取った航空母艦の写真があった。--- アメリカ海軍の航空母艦サラトガの写真だ。どうしてそんなものを久志がコレクションの中に入れているのかと言うと、長いのっぺらぼうの飛行甲板の真ん中に煙突とくっつけたかたちで大きな司令塔を突き立てていて、どこからどう見てもかっこうよかった」
 もし、久志が60数年後に原子力空母ジョージ・ワシントンを見たら小躍りして天にも昇ったことだろう。

2008-08-08

怪しげな季節に生きる人々

[The REK Friday Blog]
3周年記念週間

 韓国の若い人は今どんな気持で日々を送っているのだろうか。釜山大学校内誌“ヒョウォン”に載った文章から、その一端を知ることができるようだ。

2008-08-07

ローズマリー(這性) ’08

[The REK Friday Blog]3周年記念週間


左から一昨年、昨年、今年、いずれも8月だ。

 3年前、ローズマリーがブログとともに歳月を刻んでくれるだろうと書いた。4,5日に1回、水をやるだけだけど優雅な名前ににも似ず、手がかからないハーブだ。

次回は8月8日(金)に掲載します。

2008-08-04

ショートショート『変身』 

[The REK Friday Blog]
3周年特別企画・ショートショート『変身』

                    (1)
 国内有数の大企業・九菱の入社試験書類選考を通過したとき、友人連中は一体いくら人事課に積んだのかと俺を質問攻めにした。大学では決まって“単位足りてるかな”“それって何のことだよ”“食えるのか”、こんなマインドだった。その上、7年もずるずる通った。幾たびか学務係から警告の呼び出しがあったが、そんなものもしつこい友とみなしてきた。

2008-08-01

小田実の小説

[The REK Friday Blog]

 今春NHK『小田実 遺す言葉』で、小田は「作家として死ぬ」というようなことを病床で語っていた。この場合、作家とは著述家一般ではなくて小説家だ。“最後の仕事を完成させたい、私は作家だから”というんだが、小田が自分を作家だと強く規定していることに私は奇妙な印象を受けた。