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2008-03-28

汐入の古い町を歩く 

[The REK Friday Blog]

 一昨日安浦在住のMさんと、住民投票直接請求署名を求めて汐入の古い町を歩いた。京急汐入駅から海とは反対に坂を上ってゆくと、そこには子の神社があり、子の神通と街灯に看板が掲げられていた。恐ろしいほど寂れた商店街だ。開発に取り残されているのか、古いままを保っているのか、そんな問題設定とはお構いなしに、ただ在るというだけのようだった。
 汐入の浜に下りる漁師町だったのだろう。
 

 例えば、通りに面した家の、二階窓部分の上部が三階まであろうかという壁になっていて、その壁は銅葺きだ。今は緑青で色づいている。Mさんは大正期にはこんな建築が流行ったと聞いた、関東大震災を免れたのだろうという。
 また、通りから広い間口の家の中を覗けば、隅に子供の勉強机が置いてあるが、土間を上がった中央にはトンプクやらセイロガンなどの張り紙がくっついた帳簿台が構えている。ああ、薬屋だったんだ、という感慨を催した。こちらは今でも風格を感じる木造だ。

 坂の途中で右に折れた。坂本2丁目。急峻な崖のはざまには、建て替えを重ねたと思しき家々や、トタン葺きの今にも崩れそうな家々が並ぶ。
 古い町には老人世帯が多かった。そして、意識もまた古かった。
 老人でも男性はYES,NOをはっきり態度に表すが、女性は私には難しいことは分からないとかぶりを振る。主人と相談してみる、子供の世話になっているからという言い訳には、やさしく説明しても透明な幕でさえぎられているだけだ。署名簿を眺めて、ご近所の名前がないとペンを返す人もいた。

 12時半に駅前で待ち合わせ、16時ちょっと前まで正味約3時間で80数軒訪問。うち、不在45、署名遠慮や拒否26、既に署名済み6、署名応諾10。
 横須賀市の有権者35万4千人。坂本2丁目の1部を統計的に拡大すると、何人が署名することになるか。
 35万4千:X=87:16  X=6万5千
 署名は6万を超える。果たして予測は当たるだろうか。

 住民投票直接請求は有権者の50分の1で可能だ。7080人。これは問題なくクリアー。6月の市議会に上程されて判定を待つ。署名数目標6万は市長の得票数。6万5千だと、いわばリコールだ。もっとも原子力空母配備の賛成・反対を問うものではないから公然とはいえない。
 しかし、もし市長が開き直ったら「安全性の対策が不備である」という項目を入れてある以上、リコールに値するだろう。

 市民じゃないと署名は集められない。そこで私は地図を片手に道案内と、戸別訪問状況メモ係りを務める。助け舟出してくださいとMさんはいった。まずまずのコンビではなかったか。
 Mさんは地図が読めない人だから、一人だったら同じ地域をぐるぐる回っていただろうと述懐した。
 私は通りの両側に家々が並ぶ住宅街を想像していたんだ。Mさんが疲れたら口上を代わってみようか。ところが、この地形はそれどころではなかった。片側が崖で、反対側にまるで川の支流かのように狭い道がもう一方の崖の中腹まで伸びる。結果的に、分業ではかがいったのだったね。

「市民の会」の月例会が終わったあと、私は戸別訪問の同伴を申し出た。事務所での発送やら名簿の点検といった仕事は柄じゃないと思うし、“もどかしさ”もあって、外に出て体力を要求される仕事をしたかったんだ。会議でMさんは夜勤明けの日取りを選んでいた。

 歩きながら私はMさんに何の夜勤かと尋ねた。Mさんは福祉関係だといった。私はそれ以上は聞かなかった。いずれ機が熟せばおのずから話すだろうと思ったからだ。Mさんは私に何で横須賀に来ているのかといった。私は横浜じゃすることがないから横須賀に目が向いたと答えた。これも機会があればじっくり話もするだろう。私はそういう主義だ。

 事務所は若い男性が仕切る。Mさんも30後半ではないか。厚木にも行くといった。“横須賀”は活躍の場を将来に求める若い人を応援したい気持に誘う。フリーランスジャーナリストを志向する若い人も出入りしている。
 もう私の出番じゃない、そうもいえないんだな。横須賀には60過ぎの御大が何人もいるんだよ。老壮青とはよくいったものだが、せいぜい70までだね。頭が固くなったら身を引く。忘れないようにしよう。

予告:4月1日(火)に特別版を掲載します。乞うご期待。(エープリルフールではありません)

コメント

会にDVD問い合わせました

 署名活動お疲れさまです。

 横須賀の原子力空母配備に関連しての「市民の会」のホームページを拝見しました。本当に由々しき問題だと思います。うかつにもあまり情報を持っていませんでした。マスコミもそれほどとりあげない(情報操作がありますから)ですからね。

 DVDを申し込むメールを会に送らせてもらってます。また見させていただきます。私は在日外国人ですが、日本という地域に住む市民としてやはり大いに懸念を持ちます。何とか声を広げていきたいものだと思います。

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