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2008-05-23

住民投票条例案否決

[The REK Friday Blog]
 先週の金曜日、横須賀市議会は“原子力空母配備の是非”と“現行安全対策を十分とするか”を問う住民投票条例案を8対33で否決した。同時に“否決のおまけ”として国宛てに、もう少し気を使ってくれという意見書を採択した。
 市議会は3日にわたって、条例案に対する市長の反対意見書説明・それに対する質疑、条例請求代表5人の意見陳述、賛成・反対討論を行ったあと採決された。


 私は3日間議会を傍聴した。古い上着をまとい町の力社会であぐらをかく議員たちと、彼らに新しい風を送りたいとあがく議員たちが、すれ違いながらもせめぎ合う地方議会の姿を目のあたりにした。

 実は同様の主旨の住民投票直接請求は以前にも一度行われている。1年半前には10対31で否決された。現職中に二度も直接請求を突きつけられた市長に対して、その政治的責任を追及すると、市長は「議会の採決は市民の総意だから、市長は責任を問われない」と答えた。

 次の数字は何を物語るだろうか。
 1年前に市議会議員選挙が実施された。条例案賛成議員10人の獲得票合計は7万8千、反対議員31人の獲得票合計は10万3千。

 その選挙、第2位当選に34才・茶髪がいる。彼は議場の演壇に立っても、一人称の言葉遣いとして“僕”を選び、“僕は”“僕を”で質問を通す。
 賛成討論も型破りだった。もはや論点も出尽くしているからと、条例案自体については語らない。彼が関わった住民運動はいくつかあるそうだ。そのたびに空しさはつのった。しかし、負け続けの市民は決して諦めないしぶとさをもっていた。その姿を知って彼は目が覚めたという。
 
 彼の後に討論に立つ議員のやりにくさは想像に難くない。いやいや、屁とも思わないかもしれない。何せ反対議員からは市民に対する“プロの凄み”さえ私は感じ取ったから。

 さて、今後何十年と続く“原子力の治外法権”が横須賀で実現する。
 運動をどう進めるかは明日の全体集会で話し合われるだろう。恐らく原子力空母ジョージ・ワシントンが来る8月19日までは抗議活動、その後は来年の市長選挙に焦点が移る。果たして候補者が立てられるか。目ぼしい人はいない。

 市長選挙となると私は余り気乗りがしないのだね。岩国の市長選挙では前市長の井原さんに勝ってほしいと願った。日本の全体状況として、願うどころか悲願だった。横須賀で行われてもそれに変わりはない。ただし、今までのように応援するかといえばちょっと話が違うんだ。

 原子力空母事故の被害をもろに受ける横浜の、おまえんとこの市長はどうなんだよと、私の分身はささやく。
 横浜市人口365万、横須賀市42万。この数字を眺めれば、横浜のことはさておいて、横須賀へ逃げることに何の呵責も感じなくていいんじゃないかと私は突き返す。
 横浜は大きすぎて手に負えないという事情は、次の話と似通う。

 9条世界会議に参加したフィリピンの活動家が横須賀の運動を見たいというので「会」の事務所に来た。応対した人の話によれば、彼らは「なぜ基地反対の運動をしないのか」と問い詰めたという。
 いま日本でそれを正面から取り組むには、基地は政治的に余りに大きい。市民の側にも大衆運動の力量はない。だから個別の問題と闘って、その目が米軍再編・基地撤去へ向かうというやり方。

 横須賀市長選挙で勝ったら岩国以上の衝撃だ。横浜市民は放射能汚染からも解放される。それでも、他力本願だね。この後ろめたさは何とかして払いたいな。
 私はこんなことを考えている。今やっている“横須賀を「応援する会」”を発展的に解消して、“横須賀と連帯する横浜の会(横・横の会)”を作ろうか。
 やることが同じなら、会を作ればいいってものではないね。気持の問題じゃ、誰も賛同してくれやしないだろう。つまりこうだ。

 横浜市民が原子力空母問題をやりたいと思ったとしよう。情報の窓口は「応援する会」なんだね。そのとき、「私は主体的に取り組みたい」という彼・彼女の受け皿は「横・横の会」がふさわしくないか。”主体的に”とは彼・彼女が地元で運動を広げたいということだが。
 これからの課題だ。

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