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2008-11-14

非核3原則はどこに

[The REK Friday Blog]
“国際問題研究家の新原昭治さんによると、2年前NHKの番組担当者に関係資料を提供、没になったのかなあと思っていたら、今夜、突然の放映とのこと。原爆投下から8年後の1953年、既に横須賀に入港した空母「オリスカニ」が核を搭載していたという衝撃な事実です。ジョージ・ワシントンの配備の是非にも係わると思い、連絡しました“
 横須賀在住のNさんがこのようなメールを送ってくれて、NHKスペシャル「こうして”核”は持ち込まれた」を見た。

20時59分、平尾へのボールカウントがツーボールになって、越智の投球にはもう見る価値がなかった。私はチャンネルを切り替えた。

「空母オリスカニは原爆の製造工場だった」という元・核担当乗組員の証言は衝撃的だ。船底近くに2階建ての工場がある。上は部品の保管室、下は核爆弾の組み立て・製造室。
 原爆本体は、銃弾の形をそのまま超拡大して米俵を一回り大きくしたほど。その中に核物質を詰め込んだソフトボール大の球をセットする。ただし、この球は担当士官しか触ることができないという。
 この原爆が部屋の隅から隅まで数10個並ぶ。
 部屋の扉に書かれた”ここで見たこと、聞いたこと、話したことは口外厳禁”の文字が生々しい。

 ところで、空母オリスカニは1950年の就航から27年後に退役、2006年フロリダ沖に沈められた。何故元乗組員はNHKの取材陣に対して船底の原爆製造工場を案内することができたのか。
 空母オリスカニと同型の空母が退役後、博物館として展示されているからだ。撮影はそこで行われた。ということは、この博物館空母もまた原爆製造工場をもっていたということになる。

 元将軍によれば、当時アメリカ海軍には核兵器があふれていたという。数年前にはチェイニー副大統領が「新しい小型核兵器の開発が必要だ」といったのを私は覚えてる。その間恐らく多くの小型・高性能化した核爆弾が作られて、そしてその在庫を兵器メーカーが抱えていることはあるだろうか。空母キティーホークは、そして原子力空母GWはと疑念は広がる。

 空母オリスカニが横須賀に寄港したとき、核爆弾を取り外して、ハワイかグアムに置いてきたか。非核3原則の”持ち込まさず”を信じれば誰でもそう思う。日本政府はアメリカがないという以上積んでいないとかわしてきた。ただし、岸元首相は番組で「”持ち込ませず”とは国内の基地には上げないということだった」と、いけしゃーしゃーと答えていた。

 この番組の最大の核心は、「オリスカニは1953年以来23年間核爆弾を積んだまま、横須賀をはじめ日本各地に寄港していた」と元将軍が語ったことだ。その一番の理由は「空母に積んだままの方が安全だから」。私はなるほどと納得した。

 アメリカは核を積んでいたのは冷戦中の話だといっているが、相変わらず否定も肯定もしない。インターネットの「質問箱」にはこんなコメントがあった。

アメリカはSTART2(第二次戦略兵器削減条約)の締結後、戦略原子力潜水艦(SSBN)以外の全ての艦から核兵器を降ろしています。
戦略原子力潜水艦は日本というか、アメリカ以外の国に寄港したことがありませんので「日本に寄港する艦が核兵器を搭載している。」というのは現在では間違いです。日本によく寄港している原子力潜水艦はSSNという種類のもので、やはり現在では核兵器を搭載していません。

 では、原子力空母はSTART2の範疇には入るのか、入らないのか。“すべての艦”の意味が曖昧で、その疑問は解けないままだ。

janjannewsの田中記者は、現在の空母に核は積んでいないという理由を次のようにいう。

(オリスカニは)爆弾本体と核物質のコアそのものは、不用意な事故を防ぐために別々に管理されていて、核兵器を搭載するとなると、思ったよりスペースをくう物だとわかりました。
こうして見ると近年、アメリカ軍の艦艇から核兵器が降ろされたというのが分かる気がします。冷戦はなやかな時期なら、いつ必要になるか分からないから搭載もするのでしょうけど、使用できないとなってくると、それだけのデッドスペースはとりたくないでしょう。
特に核兵器の価値が下がってきた時期は、確かアメリカ空母の艦上が多種多様な艦載機でひしめいて、一番大変だった時期です。対潜水艦用の空母が退役して、対潜水艦用の哨戒機が搭載されたり、ヘリも積んだりとなって、そのためもあって核が降ろされたのではないかとも思います。今なら、わざわざ艦上攻撃機が核爆弾を落としにいかなくてもアメリカ本土付近にいる潜水艦から直接攻撃でますし、別に核を使うまでもないくらいの大被害を通常弾頭型の巡航ミサイルで与えることも可能でしょう。全文は下のサイトで。
http://www.news.janjan.jp/world/0811/0811101163/1.php

 要するに空母に核を搭載しないのはスペースの問題と巡航ミサイルの能力というのだ。
 ここで一つだけ私は確信する。「不確かな将来の事態に備えて、GWには核爆弾製造のためのスペースは取ってある」ことだ。そして、そこに核があるかないか。政府に非核3原則を遵守するという誠実な態度があれば、すぐ分かるはずだが。

 NHKはなぜこの番組を放送したのだろう。今や”持ち込ませず”を誰一人信じていない時代だ。だから、政権には悪影響を及ぼすことはないと判断したのか。そんな思惑とは別に世論は沸きあがるか。少なくともGWの母港都市横須賀は燃えるだろう。
(下記のサイトで番組を5分間見ることができます)
http://veohdownload.blog37.fc2.com/blog-entry-1266.html


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