アリラン基DNA(上)
新作『パッチギ』の中で韓国のオペラ歌手が「アリラン」を歌っていると、昨日朝のハングル講座で紹介していた。
私は映画や舞台でパンソリ風のアリランを何度も聞いている。ひょっとしたら私には朝鮮半島の血が流れているのかと思うほど惹きつけられるんだよ。
私は映画や舞台でパンソリ風のアリランを何度も聞いている。ひょっとしたら私には朝鮮半島の血が流れているのかと思うほど惹きつけられるんだよ。
グーグルでアリランを検索すると、歌詞が出るばかりかメロディーまで流れてくる。ところが、このメロディーが大正琴なんだね。ピキン、ピキンというあの耳障りな音ではアリランの魅力も台無しだ。
大正琴って知ってるか。ラジカセを一回り大きくした黒い物体だ。私が子供の頃はうちにもあった。お袋が弾いたんだろう。たいていは古賀メロディーだ。どんな家にもあったんじゃないか。流行ったから。
私はアリランを、私の友人が開発した共鳴箱付き大正琴“ベガ”で弾いてもらいたいと思っているんだ(彼は別に競馬ファンじゃないが)。パンソリ風編曲がいい。普通の大正琴は頭に響くが、“ベガ”だと胸に響くにちがいない。(“ベガ”についてはここを見てくれ)
http://www.junko-japan.com/
さて、私のアリラン体験を印象度順に掲げることが今日のテーマだ。
第1位。柳美里『八月の果て』
あれっ、歌とか演奏じゃないね。そう、小説だ。柳美里はこの小説で在日の歴史と運命を一身に背負った。小説は大きなテーマが整理されていなくて成功しているとは思えないが、柳美里はアリランにこだわった。
アリランにはいくつかのバージョンがあるらしい。これは密陽(ミリャン)アリランだ。まあ、アリランのメロディーを頭にのせながら歌詞を眺めてくれ。
小説では一節づつがストーリーに合わせてふんだんに使われている。
ちょっと見てよ ちょっと見てよ
わたしを見てよ
真冬に咲く花を見るように わたしを見てよ
アリアリラン スリスリラン アラリガナンネ
アリラン峠を越えてきてよ
やっと逢えたあのひとに
口きくことさえできないで
はにかむだけのわたしなの
アリアリラン スリスリラン アラリガナンネ
アリラン峠を越えてきてよ
間違いだったよ 間違いだったよ
間違いだったよ
輿に乗り嫁にきて 間違いだったよ
アリアリラン スリスリラン アラリガナンネ
アリラン峠を越えてきてよ
替え歌に
松林の中で鳴く鳥は もの哀しや
阿娘の恨みを 哀しんでかい
アリアリラン スリスリラン アラリガナンネ
アリラン峠を越えてきてよ
嶺南楼に射す月は 冴えわたるのに
南川江はだまって 流れるばかり
アリアリラン スリスリラン アラリガナンネ
アリラン峠を越えてきてよ
あざやかな色どりの 阿娘閣には
阿娘の魂が宿っているよ
アリアリラン スリスリラン アラリガナンネ
アリラン峠を越えてきてよ

そして近代、植民地時代になると
うちの父母がわたしを捜したならば
光復軍に行ったと伝えておくれ
アリアリラン スリスリラン アラリヨ
光復軍アリランうたおうよ
狂風が吹くよ 狂風が吹くよ
三千万の胸に狂風が吹くよ
アリアリラン スリスリラン アラリヨ
光復軍アリランうたおうよ
海にふんわり浮かんだ船は
光復軍を乗せてくる船だとさ
アリアリラン スリスリラン アラリヨ
光復軍アリランうたおうよ
アリラン峠で ドンドン太鼓鳴りゃ
漢陽城の真ん中に 太極旗がなびく
アリアリラン スリスリラン アラリヨ
光復軍アリランうたおうよ
『密陽』という映画が作られたと、韓国の新聞(ネット版)に出ていた。タイトルは当然、密陽アリランから取ったものだと思っていたが、この若い監督がいうにはミリャンという“音”が気に入ったからだという。
(密陽→ミル・ヤン→ミリャンとなるのが、私のように耳からではなくて、目で学んでいるものにとって難しい)
韓国の若い世代の意識は、心の歌アリランという昔の固定観念では捉えられないようだ。もっとも、キムチが嫌いな若い人もいるというのだから、人はそれぞれだ。
第二位は何といっても映画『西便制(風の丘を越えて)』だ。パンソリ歌手を目指す“親子のシゴキ話。だからこそパンソリとは何かが観る側にこれでもかと迫ってくる。旅の途中の楽しいひと時の、丘を越える弾むようなアリランは忘れられない。
第三位は次回に。
大正琴って知ってるか。ラジカセを一回り大きくした黒い物体だ。私が子供の頃はうちにもあった。お袋が弾いたんだろう。たいていは古賀メロディーだ。どんな家にもあったんじゃないか。流行ったから。
私はアリランを、私の友人が開発した共鳴箱付き大正琴“ベガ”で弾いてもらいたいと思っているんだ(彼は別に競馬ファンじゃないが)。パンソリ風編曲がいい。普通の大正琴は頭に響くが、“ベガ”だと胸に響くにちがいない。(“ベガ”についてはここを見てくれ)
http://www.junko-japan.com/
さて、私のアリラン体験を印象度順に掲げることが今日のテーマだ。
第1位。柳美里『八月の果て』
あれっ、歌とか演奏じゃないね。そう、小説だ。柳美里はこの小説で在日の歴史と運命を一身に背負った。小説は大きなテーマが整理されていなくて成功しているとは思えないが、柳美里はアリランにこだわった。
アリランにはいくつかのバージョンがあるらしい。これは密陽(ミリャン)アリランだ。まあ、アリランのメロディーを頭にのせながら歌詞を眺めてくれ。
小説では一節づつがストーリーに合わせてふんだんに使われている。
ちょっと見てよ ちょっと見てよ
わたしを見てよ
真冬に咲く花を見るように わたしを見てよ
アリアリラン スリスリラン アラリガナンネ
アリラン峠を越えてきてよ
やっと逢えたあのひとに
口きくことさえできないで
はにかむだけのわたしなの
アリアリラン スリスリラン アラリガナンネ
アリラン峠を越えてきてよ
間違いだったよ 間違いだったよ
間違いだったよ
輿に乗り嫁にきて 間違いだったよ
アリアリラン スリスリラン アラリガナンネ
アリラン峠を越えてきてよ
替え歌に
松林の中で鳴く鳥は もの哀しや
阿娘の恨みを 哀しんでかい
アリアリラン スリスリラン アラリガナンネ
アリラン峠を越えてきてよ
嶺南楼に射す月は 冴えわたるのに
南川江はだまって 流れるばかり
アリアリラン スリスリラン アラリガナンネ
アリラン峠を越えてきてよ
あざやかな色どりの 阿娘閣には
阿娘の魂が宿っているよ
アリアリラン スリスリラン アラリガナンネ
アリラン峠を越えてきてよ

そして近代、植民地時代になると
うちの父母がわたしを捜したならば
光復軍に行ったと伝えておくれ
アリアリラン スリスリラン アラリヨ
光復軍アリランうたおうよ
狂風が吹くよ 狂風が吹くよ
三千万の胸に狂風が吹くよ
アリアリラン スリスリラン アラリヨ
光復軍アリランうたおうよ
海にふんわり浮かんだ船は
光復軍を乗せてくる船だとさ
アリアリラン スリスリラン アラリヨ
光復軍アリランうたおうよ
アリラン峠で ドンドン太鼓鳴りゃ
漢陽城の真ん中に 太極旗がなびく
アリアリラン スリスリラン アラリヨ
光復軍アリランうたおうよ
『密陽』という映画が作られたと、韓国の新聞(ネット版)に出ていた。タイトルは当然、密陽アリランから取ったものだと思っていたが、この若い監督がいうにはミリャンという“音”が気に入ったからだという。
(密陽→ミル・ヤン→ミリャンとなるのが、私のように耳からではなくて、目で学んでいるものにとって難しい)
韓国の若い世代の意識は、心の歌アリランという昔の固定観念では捉えられないようだ。もっとも、キムチが嫌いな若い人もいるというのだから、人はそれぞれだ。
第二位は何といっても映画『西便制(風の丘を越えて)』だ。パンソリ歌手を目指す“親子のシゴキ話。だからこそパンソリとは何かが観る側にこれでもかと迫ってくる。旅の途中の楽しいひと時の、丘を越える弾むようなアリランは忘れられない。
第三位は次回に。
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